八十八夜、新茶摘み(お~いお茶 有明、鹿児島、伊藤園、google画像)
(解説) 日本的な緑茶、玉露(ぎょくろ、一番茶)、煎茶(せんちゃ、二番茶)、番茶(ばんちゃ、三、四番茶)の製法は、若葉を摘み取り、蒸して葉の中に含まれている酵素(ポリフェノールオキシダーゼ)の働き(酸化反応)を止め、緑色の色素(クロロフィル)を美しく残させ、ヨリをかけて乾燥させ仕上げます。
摘み取る1~2週間前、茶園をヨシズやワラで覆い、日光を遮(さえぎ)り、茶の葉を軟らかく美しく仕上げたのが玉露で、一方、日光に当てたまま摘み取ったのが煎茶、番茶です。
煎茶は、玉露より旨味(うまみ)のアミノ酸のテアニン(グルタミン酸のエチルアミド)、カフェインが少なく、渋味(しぶみ)のタンニン(ポリフェノールの総称、特にカテキン類)とビタミンCが多い。日光が葉に当たるにつれ、旨味のテアニンは渋味のタンニンに変っていきます。
玉露と同じように、茶園に覆いをかけて育てた若葉(一番茶)を摘み取り、ヨリをかけず葉のまま乾燥したのが碾茶(てんちゃ)で、これから粉末状の抹茶(まっちゃ)が作られます。抹茶には、旨味のテアニン、ビタミンC、ビタミンA、鉄分、カルシウムなど多く含まれています。
玉露(ぎょくろ、八十八夜、一番茶、宇治、京都 ほっこり庵 七之進、google画像)
(解説) お茶の美味しい入れ方としては、煎茶は、緑茶の旨味成分(テアニン)が80℃前後でとけてくるので、沸騰した湯をさまし、糸のように細く注いで2~3分おきます。玉露はその成分が濃いので、さらに低く60~70℃位にします。番茶は香りで飲むので100℃の沸騰した湯を使います。沸騰した湯を冷たくし、茶の葉を加えて一晩冷蔵庫で寝かせると、まろやかな冷茶ができます。温めた茶碗に平均に回し入れて急須(きゅうす)に湯を残さないようにしないと、50℃以下で渋いタンニンがしみ出して黄色くなります。 また、番茶(三、四番茶)は、硬くて苦味が強くなるので、焙(ほう)じて香りを出して飲みます。
昔、宵越しのお茶はお腹をこわす、と言われたのは、タンニンが嫌われたものでしたが、最近これが過酸化脂質ができるのを防ぐことが分かり、注目されてきました。つまり、緑茶は、しみ、腹痛、動脈硬化、糖尿病、肝臓病、さらにはガンを作る元凶を予防するので、日本人にとって大事な飲み物となりました。適度なカフェインは、軽い興奮を誘って、頭が冴え、疲れが取れ、爽やかな気分になれます。また、眠気覚まし、利尿の効果もあるようです。
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